ニホンミツバチは振動、騒音を嫌います。
ニホンミツバチを捕獲するための待ち桶は、風などで揺れないようにしっかり固定することが大切です。
アルミパイプを打ち込んで、柿の木と一緒にビニールハウス用のバンドでくくりつけます。
南東向きの斜面で、今は陽当たりが良いですが、柿の木の葉が茂ると暑い夏は日陰になります。
敷地の西の方に古い物置がありますが、その南側のひさしの下に巣箱を置きました。
昨年、ここに入居してくれたニホンミツバチはかなりの弱群ですぐに耐えてしまいました。
今年から重箱を組み立てるガムテープを目立つように黄色のものにしてみました。
黒いガムテープのほうが強度がある(自分の比較した感覚です)、内部への遮光効果が高いと思い、昨年までは使わなかったのですが、ミツバチは視覚でも花を探しているので多少は効果があるかもしれません。
ただし、人目につくようなところに置くときは、黒いガムテープにしたほうが目立たないので盗難の危険がないと思います。
目の前には川が流れていて、対岸にはヤマザクラが咲き出しました。
今年はヤマザクラが咲くのが早いです。
待ち桶の設置場所の条件は、日陰になるところ、風通しがよいところ、静かなところ、綺麗な水がながれているところですが、すべて満たしているところです。
ただ、条件がよくてもはいってくれるかどうかはミツバチしだいですが。
新品の巣箱はスギの木の匂いがするので、雨ざらしにするか、流水に浸けて匂いを抜いた方がほ捕獲の確率は高くなります。アク抜きともいいます。
うちでは500リトッルのタンクに、待ち桶に使う重箱2つと天板、底板を入れて沢水を引いてきて流し込んでいます。
木製の重箱は浮いてきますので蓋をして水を流し込んでいます。
これで数日おいて乾かします。
もしこういった匂い抜きが不充分の場合でも
やまみつやでは、追加料金1500円でこの処理をして発送することもできますので、ご興味あるかた yamamitsuya@icloud.com までメールしてください。
昨年、採蜜した重箱と天板ですが、カビが生えないように風通しが良い涼しいところに保管してありました。
こういう巣の跡が残った巣箱はニホンミツバチも安心して住み着いてくれます。
巣門の前に採蜜後の巣クズをおきます。
ライターやバーナーであぶって少し溶かします。
ミツバチは視覚でも新居を探しているので、目印になるように黄色いテープをタッカーで固定します。
家の裏手の植林地です。
ヒノキ林の手前は、昔はこんにゃく畑だったそうです。
植林地の中には蜜源植物はありませんので、待ち桶をおいても捕獲はできませんが、植林地の外縁の境界部分は、年間を通して日陰なので待ち桶を設置するのに適しています。
昨年もここに設置して捕獲できました。
設置した待ち桶から見ると、ひらけていて柿の木がそばにあります。
巣箱を固定するためにパイプを打ち込みます。
巣箱が土に直接触れると腐りやすいので、パイプを敷きます。
打ち込んだパイプにハウスバンドで固定します。
うちの巣箱は重箱2段にした大きさで待ち桶にしてください。
わかりにくいですが、赤い矢印の先に待ち桶があります。
採蜜のときに出た巣クズや、逃去、消滅した蜂群の巣はミツロウの原料になります。
巣をくずして鍋にいれて、同じくらいの分量の水を入れます。
鍋を弱火にかけて、巣を溶かしこみます。
冷めるとすぐにミツロウが浮いてきますので、もういちど温めて上澄みをアルミ缶を切ったものに入れます。
冷めるとミツロウができます。
このミツロウを少量を削って、巣箱の天板の内側や底板、巣門の周囲に乗せてバーナー、ライターなどであぶると強い香りがして、ニホンミツバチを誘引します。
浮いてきたミツロウの下にある煮汁、この煮汁も香りが強くニホンミツバチを誘引する効果があります。
ペットボトルに入れてとっておきます。
巣門の前にたらして広げます。
水分が多いので内部に塗布するとカビが生えやすいです。
巣箱の外部に塗布するようにします。
手作りの誘引剤の作り方です。
水1リットルに対して、砂糖200グラム、蜂蜜大さじ1、酢大さじ1を入れます。
この液を作っておき、ヤクルトの小瓶などに入れます。
ここへヤクルトを数滴垂らしてアルミの蓋に小さな穴を開けたものを被せます。
ヤクルトが入ると発酵が促進されるので、発酵臭がしてミツバチを誘引します。
誘引液にヤクルトを添加したら巣箱内部に設置します。温度によりますが、翌日には発酵臭が出てきます。
発酵臭は出始めて10−14日ほどでおさまってしまうので、ときどき確認して交換してください。
重箱式巣箱をお買い上げの方に採蜜後の巣クズをサービスしていますが、この巣クズは溶かしてゴミを取り除くとミツロウになります。
この巣クズを溶かすとニホンミツバチを誘引して捕獲する効果があります。
ミツロウを巣箱内部全体に塗布する人がいますが、梅雨どきくらいになるとカビが生えることがあるため、あまりお勧めしません。
天板と、巣門外側付近と底板に塗布することをお勧めします。
天井は、ミツバチが住み着くと最初に巣を作り始めるところですが、ミツバチが巣を作ったところにはカビが生えません。
また、やまみつやの巣箱は巣門から底板まで27センチほどの高さがありますが、仮に底板にカビが生えてもミツバチにとってはあまり気にならないようです。
待ち桶は風の通りが良いところに設置することをおすすめしていますので、巣箱の外側に塗布したミツロウにはカビが生えることはほとんどありません。
天板の内側に巣クズを置き、カセットボンベのバーナーとスクレパーを用意します。
バーナーではなく、ライター、チャッカマンなどでもかまいません。
バーナーの熱で軽くあぶり溶かします。
このときにあまりいつまでも熱するとミツロウが変質して香りが飛んでしまうので注意してください。
スクレパーで広げますが、溶かしたままでも構いません。
巣門の外側にも巣クズを置きます。
バーナーで軽く炙って、
広げます。
節穴が深くあいていると、そこに巣の成形クズがたまりスムシがわく原因になることがあります。
また外側からヒビ割れや節穴を通して内部に光が漏れると、ミツバチが嫌って住み着いてくれません。
そこでこの部分にミツロウを埋めてふさぎます。
ミツロウの匂いは誘引にもなります。
ミツロウを削ったものや巣屑をを埋めます。
バーナー、あるいはライターなどで軽くあぶり柔らかくします。
スクレパーで平らにならします。
溶けたミツロウは熱いので決して指先では触らないでください。
平らになりました。
九州のほうでは早くも雄蜂の巣の蓋が巣箱内部に落ちているという情報がありました。
やまみつやのある南信州では、まだ先の話しになりますが。
日本気象協会から桜の開花予想が発表されました。
例年より数日から1週間ほど早い地方が多いようです。
ミツバチ(セイヨウミツバチ、ニホンミツバチとも)は活動を停止していた冬の期間が過ぎ、春先に活動を再開して女王蜂が産卵を始めて働き蜂を増やしていきます。
働き蜂の数が増えて分蜂の準備が整うと、働き蜂たちは女王蜂に雄蜂の卵を産ませます。
これは他の巣箱の女王蜂と交尾するためです。(ちなみに働き蜂はすべてメスです。)
そして女王蜂が新女王蜂の卵を産み、新女王蜂が羽化する直前に親の女王蜂は働き蜂を引き連れて分蜂して行きます。
九州方面の暖かい地方の方、巣箱の中を観察してみてください。
この直径4ミリほどのお皿のようなものは、雄蜂の卵が産み付けられた巣穴の蓋です。
オス蜂が誕生するときに巣の蓋をやぶって出て来ます。
この巣蓋が巣箱の中に落ちてくると分蜂まで、3〜4週間と予想できます。
この真ん中の黒い蜂が雄蜂です。
雄蜂は働き蜂より少し大きく、色が黒くなります。
雄蜂が沢山巣箱から出てくるようになるとさらに分蜂までは2週間から10日になります。
雄蜂は働き蜂が集めた蜜を食べるだけで、蜜を集める仕事はしません。
交尾のためだけに生まれてきます。
ただ交尾のときに生殖器周辺が切れてしまい、その場で死んでしまいます。
ニホンミツバチの巣箱を雨のかかる場所に設置するときは、トタン板で屋根をしてやります。
ホームセンターなどで売っているトタン板です。
これは金属製ですが、ポリカーボネート製のもののほうが切断しやすいし、安全です。
その場合色の濃い日差しを遮るものならば大丈夫です。
これを金切バサミで長さ50〜60センチくらいに切断します。
金切バサミは大きいもののほうが使い易いです。
作業は必ず軍手をしてください。
待ち桶として設置するときは、重箱を2段にしてガムテープで固定します。
巣箱にトタンを被せたら、ビニールハウスに使うナイロンコード(マイカ線)で固定します。
コードの長さは、後で重箱を増設したときにも使えるように長めにしてください。
ボルトを通す穴にコードを通して、3重から4重に結びます。
トタン板に擦れる部分は、ガムテープなどで補強してコードが切れないようにします。
昨年設置したものの、残念ながらニホンミツバチがやってこなかった待ち桶です。
巣箱内部は昨年塗布したミツロウがカビているため、このまま放置して今年も捕獲できる可能性は少ないのです。
回収してばらします。
ガムテープを剥がして解体します。
ガムテープを固定する時に、末端を5ミリほど折り返しておくと解体するときに楽にできます。
天板のミツロウにはカビが生えていました。
重箱の内部にもカビです。この部分はその前年に採蜜した重箱を使っていました。
ブラシで水洗いします。
雨のあたらない日陰で、陰干しします。
よく乾いたらまた誘引のために、ミツロウなどを塗布して組み立てます。
各地で例年より早めの梅の開花の知らせを聞いていましたが、やまみつやのある南信州でもついに咲き出しました。
ただ、昨年は1月下旬には咲いていたので、今年が特に春が早いとは言えないのではなかと思います。
昨年も暖冬でしたが、3月の下旬から4月にかけて真冬の寒波がやってきて分蜂が乱れていました。
4月になって雪が降るような寒気があると分蜂をやめてしまう蜂群があるためです。
ちなみに今年は桜の開花が異常に早まるとの予報ですが、桜は寒気にあたらないと花芽が動かないので、暖冬と言われている年でも遅く開花することがあり、春が早いかどうかの指標とするには少し疑問があります。
梅のツボミ、明日明後日も暖かいのでいっせいに咲くようです。
オオイヌノフグリ。
この時期の貴重な蜜源植物ですが、小さい花なので蜜が少ないのでしょう。
蜜蜂が次々と足早に渡り歩くので、なかなかよい写真が撮れません。
このところ日当たりが良いところでは、最高気温が10度を越えています。
風が弱い日中は巣箱から顔を出しています。
こちらはこの家に住んでいたおじいさんが使っていた丸太の胴式巣箱。
日当たりが良いのでたくさん出てきています。
暖かい地方で、活発に出入りしている巣箱では、砂糖水の餌やりをすると分蜂に備えて元気になります。
京都にある国立の総合地球環境学研究所で、ミツバチの研究をされている真貝理香氏が、ニホンミツバチの養蜂文化ライブラリーのサイトを開設しました。
日本ミツバチは平安時代から飼育されている記録がありますが、ニホンミツバチに関する資料や文献をまとめているサイトは今まであまりありませんでした。
ニホンミツバチの飼育の歴史を知るうえで大変参考になります。
和歌山県の古座川地区で昔からニホンミツバチを飼育されている方々のビデオも興味深いです。
やまみつやのある南信州周辺の昔の飼い方は、糖度が上がる初冬に採蜜し、そのときには巣箱に住んでいるミツバチを追い出して採蜜作業をしていました。これだとミツバチは越冬できずに死んでしまいます。
しかし古座川地区では一手間かけて、夏にミツバチを活かしたまま採蜜しています。
ニホンミツバチ・養蜂文化ライブラリーは下記をクリックしてください。
総合地球環境学研究所のサイトは→こちらです。
発泡スチロールの板はトタン板の雨よけの下に入れて、夏の直射日光からの暑さよけに使っていました。
冬になり、巣箱上部からの放熱を防ぐために、エアーキャップ(プチプチシート)で一緒にかこってしまいます。
巣門はダンボールで塞いで、1匹が出入りできるようにしてあります。
冬の間も冬眠しているわけではなく、気温が高いひは排泄のために巣箱から飛び出します。
こちらの巣箱はハナモモの根元に設置しましたが、葉が全部落ちた今は日光が当たります。
今日のような風がなく穏やかな日は、巣箱から頻繁に出入りします。
今年の冬は今の所暖かい日が多く、このまま活動的な状態が続けば来春まで寿命を延ばすこと難しいと思われます。
ワラで巣箱を囲います。
ワラは断熱というよりも遮光の目的です。
巣門部分は飛び出せるように空けておきます。
前回の投稿で書いたように、寒さに対してあまり過保護にするとミツバチの寿命が縮んでしまいます。
このところ昼間が割と暖かく、冬囲いにはもう少し様子を見ることにします。
気温が氷点下になるようなところで、日陰に置いた巣箱はプチプチシート(エアーキャップ)で覆ってください。
それ以外の暖かいところだと一番上の重箱だけエアーキャップで覆ってください。
日当たりの良いところの巣箱は、その上にムシロや麻袋で覆って、ある程度の遮光をしてください。
空気の入ったほうを内側にします。
採蜜のときに外した天板の裏側には、巣板が固定されていた跡がみられます。
この巣箱には大小10枚の巣板が並んでいました。
ニホンミツバチたちは、冬になるとこの巣板の間の上部に球のような空間を作ってそこに集まって体を寄せて過ごします。
下の写真は、真冬の巣箱内部の様子を撮影したものです。
巣板の中程右側のほうにかたまっています。
おそらく巣箱内の一番寒くないところです。
この球状の空間を作るときには、巣を成形するので巣クズが大量に巣箱の底にたまります。
この辺りでは、11月のなかばごろから活動が低下していきますが、大量に巣クズがたまるのを確認できたら、蜜蜂の冬に備えた準備が始まった合図です。
巣箱の冬囲いは、エアーキャップ(いわゆるプチプチシート)や、ムシロ、麻の袋などを利用しますが、最低気温が常にマイナスになる地域で、日当たりが悪いところでは、エアーキャップで包むことをおすすめします。
エアーキャップで包んだことによって、巣箱内が結露することはありません。
ただし、冬囲いで大切なことは、あまり過保護にしないということです。
最高気温が12度以下になるような日が続くまで待ったほうが良いと思います。
働き蜂は春から夏にかけては約1ヶ月で寿命が尽きると言われています。
しかし、女王蜂の産卵が止まっている冬の間は寿命を来春まで延ばさなければなりません。
そのために活動量を最小限にして冬を過ごします。
巣箱を何重にも囲って巣箱内の温度を上げると、どうしてもミツバチたちは活動的になり、寿命が短くなってしまいます。
もうすぐ11月も終わりますが、気温は平年より高めのようで、日中陽当たりが良くなるとやまみつたちも出入りしています。
この辺りでは来月上旬から中旬くらいまでには冬仕度をします。
寒い地方では、準備しておきましょう。
実際に冬仕度をするタイミングは次回お知らせします。
巣門から寒い風が入るのを防ぐため、段ボールで巣門を塞ぎます。
巣門は1匹が出入りできるように、1センチくらいのすきまを開けておきます。
真冬でも冬眠するわけではなく、暖かい日は脱糞のために出入りします。
これは春の写真ですが、3月になり活発に出入りするようになると自分たちで段ボールをかじって広げていきます。
こうなったときには、段ボールを外してやります。
巣箱の中の空いた空間が多いと、気温が下がります。
やまみつやの巣箱は、重箱から下の巣門部分には巣がありませんので、上の図のような箱を作って、巣門下の扉から差し入れます。
底板が持ち上がったようになり、巣箱内の空間が狭くなります。
そろそろ朝に霜が降りるような寒さの日が、やってきました。
南信州の我が家では、昨年より1週間早く11月7日に初霜がありました。
最高気温は平年よりやや高めですので、お昼近くになるとまだミツバチたちも巣箱から顔を出します。
霜が本格的になると終わる、お茶の花もまだ枯れていません。
女王蜂はすでに産卵を止めています。
一方働き蜂は冬の間は活動を抑えて、寿命を延ばさなくてはいけません。
まだやまみつが活動しているこの時期に最後の砂糖水をやっておきます。
砂糖1キロに対して水は700C.C.。
元気な巣箱は1キロ、弱い巣箱は2キロくらいやります。
寒い時は気が荒くなっているので刺されることがあります。
陽が当たる暖かい時間を選んで作業してください。
ホームセンターなどで販売している、プラスチックの工具ケース(2リットルくらいはいるもの)に、下のようなスポンジの板を浮かべます。
スポンジは下のように、5ミリほどの隙間をあけます。
スポンジ、工具ケースはこちらです。
彼女たちからいただいた蜂蜜をパンに塗って食べていると、ミツバチが部屋に迷い込んできました。
今朝は外気温が5度とだいぶ冷え込みましたが、霧がはれると小春日和の暖かい日差しがやってきました。
スズメバチの襲来もほとんどなく、やまみつたちは越冬前の最後の一働きで忙しそうです。
そろそろ初霜がやってきますが、それまでは秋の花の蜜にできるだけ頼ります。
あと2週間ほどで越冬前の餌やりをしますが、砂糖水よりも自然の花の蜜のほうがやまみつたちにとっては栄養があります。
霜が降りると花が痛みますが、その後に餌やりします。
今月に入ったころから、秋の花が咲き出しました。
ニホンミツバチにとって、越冬前の貴重な蜜源植物になります。
上の写真はセイタカアワダチソウです。
セイタカアワダチソウ、外来植物でかつ繁殖力が非常に強いので各地で嫌われていますが、ミツバチにとっては花粉も花蜜もあるありがたい存在です。
セイタカアワダチソウの蜂蜜はあまり美味しくないということで、この花が咲いてしばらくしてからは採蜜しないほうが良いと言われています。
ミツバチの越冬のためには、10月中旬過ぎてからの採蜜はあまりおすすめしないので、だいたい9月のうちには採蜜しています。
なのでこの花の蜜の味はよくわかりません。
こちらはお茶の花です。
借りている家には、お茶畑があります。
お茶の花も蜜源になります。
ただしお茶の木も繁殖力が強いので、落ちた実から次々に発芽してあちこちにはびこっています。
スズメバチの襲来もなくなり、やまみつたちも集蜜に大忙しのようです。